商品回収・交換を仕組み化し、利便性と品質を改善。顧客満足度を高め企業価値向上にも貢献
アサヒグループ食品株式会社の返品・交換サポート導入事例をご紹介
製造業(食品)
DX
業務効率
配送
アサヒグループ食品株式会社の返品・交換サポート導入事例をご紹介
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アサヒグループ食品は、アサヒビールを擁するアサヒグループホールディングスの食品事業を担う企業として、菓子、乳幼児向け商品、フリーズドライ食品からサプリ、化粧品まで幅広い商品ラインナップを提供しています。さまざまな食品事業を展開するなか、お客さまからのご指摘に対する取り組みに力を入れるため、「返品・交換サポート」を導入しました。その経緯と効果について、品質保証本部 お客様相談室 室長 中村浩史様、担当副部長 宮原宏子様に伺いました。
課題 |
お客さまが商品の返品・交換を希望された場合、着払いでの商品返却の必要があり、ご不便をかけていた。そのため、お客さまに負担のない回収方法を検討していた。 |
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取り組み |
返品・交換の際に梱包や送り状の記入が不要でお客さまの自宅から迅速に回収できるよう仕組み化。細やかな個別対応が可能に。 |
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成果 |
返品・交換時のお客さまの負担を軽減し、利便性が高まったことで商品回収率がアップし、顧客満足度向上につながった。また回収した商品の調査を行い品質改善に努めた結果、企業価値向上にも貢献。 |
課題
お客さまが商品の返品・交換を希望された場合、着払いでの商品返却の必要があり、ご不便をかけていた。そのため、お客さまに負担のない回収方法を検討していた。
取り組み
返品・交換の際に梱包や送り状の記入が不要でお客さまの自宅から迅速に回収できるよう仕組み化。細やかな個別対応が可能に。
成果
返品・交換時のお客さまの負担を軽減し、利便性が高まったことで商品回収率がアップし、顧客満足度向上につながった。また回収した商品の調査を行い品質改善に努めた結果、企業価値向上にも貢献。
アサヒグループ食品は、お客さまから商品に関するご指摘があった場合、現品を実際に確認・調査することを重視しています。
「私たちは現品主義です。お客さまのご指摘を受け止めつつ、商品のどこに問題があったのか確認するために、お客さまのお手元にある商品をお引き取りします」(中村様)
そのため、お問い合わせをいただいたお客さまから商品を迅速に回収・交換などを行う必要があります。
「不安を抱えていらっしゃる方もいれば、ご不快な思いをされた方もいます。お客様相談室のオペレーターはお客さまの感情面にも配慮し対応しますが、中には、商品を送るのが面倒くさいと感じる方も当然いらっしゃいます。しかし、現品主義の私たちとしては、引き取れないと、商品の問題点を確認できず機会ロスとなってしまいます。また、お客さまへの正確なお返事も難しくなり、品質の改善にもつながりません」(中村様)
もし何かあれば、お客さまのところに伺って対応するというマインドは、アサヒグループ食品の営業全員が持っています。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行は、この活動にも大きな影響を与えました。
「ご自宅への対面訪問が難しくなりました。また、都道府県間の移動が制限され、営業拠点のない県への出張も困難になりました。着払いで引き取ることもありますが、それでは、商品を発送するためにお客さまに多くの手間が発生してしまいます」(宮原様)
そんな中、以前よりお客様相談室と取引のあったヤマト運輸から、日頃からお客さまの自宅に訪問するセールスドライバーが回収を行うこともできるという提案を聞き、お客さまの負担をいち早く軽減したい、という強い思いから返品・交換サポートサービスの導入を決定しました。
現在は、お客さまの窓口となるオペレーターは従来の引き取り方法に加え、選択肢の一つとしてヤマト運輸による返品・交換サポートを提案しています。ヤマト運輸が指定された場合、セールスドライバーが送り状と梱包材を持参してお客さま宅に訪問し、商品を引き取ります。
「お客さまが梱包したり、送り状を書いたり、ヤマト運輸の営業所に持ち込んだりする手間がないため、ヤマト運輸を選択されるお客さまは多いです。オペレーターも、お客さまの負担が少ない返品・交換サポートサービスは提案しやすいそうです。この提案のしやすさは、そのままオペレーターのメンタル部分のサポート、精神的な支えになっています」(宮原様)
引き取りを仕組み化したことで、お客さまからの商品回収率も向上しました。
また、対面での商品引き取りに慎重になるお客さまも増えました。
「ヤマト運輸の全国ネットワークを活用しながら、きめ細やかな個別対応が可能となりました。今は、仕組み化ができたこともあり、お客様相談室は一丸となって対応に取り組んでいます」(宮原様)
回収業務においては、引き取った商品をこまかく調査した結果、アサヒグループ食品に瑕疵がないケースもあるそうです。
「それも引き取った商品を確認しないとわかりません。お客さま自身は不安や不満をお持ちです。仮に瑕疵がなかったとしても、それをお伝えしたうえで、お客さまの不安・不満を解消できるようなフィードバックをするよう心掛けています」(中村様)
そして、引き取った商品を調査した後は、お客さまに完了報告書を提出します。
「報告書を受け取ったお客さまからお礼のお手紙をいただくこともあります。私たちとしては当たり前のことをしているのですが、お客さまのご理解が得られて、ポジティブな反応をいただけるのは、やはりうれしいですね」(宮原様)
アサヒグループ食品の品質行動指針は、『確かな品質をおいしさ+αの礎に。』です。お客様相談室の活動も、品質行動指針に則って対応しています。
「品質行動指針には、お客さま視点で品質を最優先に取り組むことが示されています。ですから、商品に不具合があった場合、そこで止まっていてはいけません。ヤマト運輸は私たちの品質行動指針を実践するために、貢献してくれている良きパートナーだと思っています」(中村様)
商品の不具合や万が一のトラブルにおいて、スピーディかつ確実に対応することは、お客さまの信頼感につながります。また、非常時の対応こそ、企業の価値が問われます。
「日常業務だけでなく、万が一の大掛かりな商品回収が発生するかもしれません。一刻を争うような緊急事態が発生した際、対応の良し悪しは企業の評価に直結します。だからこそ、ヤマト運輸と一緒に構築した商品引き取りの仕組みは、非常に重要な機能だと考えています」(中村様)
最近では、お問い合わせを受けるだけでなく、情報発信にも力を入れているそうです。
「お客さまから寄せられた意見を元に改善した事例を当社Webサイトで公開しています。お客さまに寄り添った対応をお伝えするのも、お客様相談室の役割の一つだと思います」(中村様)
商品引き取りの質を上げつつ、日常の業務負荷を軽減しているからこそ、こうした新しいチャレンジに取り組みやすくなっているとのこと。返品・交換の効率化は、顧客視点に立ったサービスにより多くの時間を割くための、企業価値向上を見据えた取り組みでもあるのです。
※掲載記事の内容は取材当時のものです。
代表取締役社長:川原 浩
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