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- 代引きと着払いの違い、代引きで荷物を送る際に必要なものを紹介
ネット通販での決済方法の1つとして「代引き」という言葉はよく耳にしますが、その中身は意外と詳しく知られていません。ここでは、いまさら聞けない「着払いとの違い」、「代引きで荷物を送る際に必要なもの」をわかりやすく解説します。
代引きとは
代引きとは代金引換の略称です。
具体的には、宅配業者が商品を購入者にお届けすると同時に、その代金を回収し、ショップに振り込むような決済の仕組みを指します。代引きサービスは、物流の付加価値として導入され進化してきたため、日本では物流会社・運送会社の多くが代引きサービスを提供しています。
代引きの仕組み
「代引き」とは「商売が成り立つ場合、第三者の運送会社が商品を購入者に届けると同時に集金業務を代行し、決済代行会社経由で、ショップに支払う仕組み」のことを言います。詳しくは下図にて説明します。
1.購入者がショップに商品を注文する
2.ショップが「代引き」での処理をしたうえ、商品を発送する
3.購入者から、代金を受取るのと引き換えに、配達員が商品を購入者に渡す
4.購入者からもらった代金を精算して、決済代行会社によってショップの口座に振り込まれる
代引きの荷物を受取る際、現金を事前に用意した経験を思い出しましょう。この図を見ても、上半分は商品の移動を、下半分はお金の動きを示しています。つまり、代引きを利用する場合、物流と同時に「金流」も発生していることが分かるでしょう。
「着払い」と「代引き」の違い
代引きとは別に、着払いの荷物を受取る際にも配達員にお金を支払っていますが、代引きと何が違うのでしょうか?
確かにお金を支払う行為は同じですが、そのお金の中身は全く異なるのです!
「着払い」は送料・「代引き」は商品代金
結論から言えば、着払いで支払う金額の中身は、送料です。
それに対して、代引きで支払う金額の中身は、商品代金がメインです。
<着払いの場合>
送料 = 発送地点A〜到着地点Bの間の運送料
1.差出人は「受取人が送料を払う」指定で荷物を発送する
2.荷物を受取る時に、受取人が「送料」を支払う。
この送料は、運送会社によって決められます。差出人と受取人は、各運送会社規定の送料表にて、荷物の大きさや運送距離から割り出された送料を支払っています。
ヤマト運輸の宅急便はサイズ・エリアによって異なります。詳しくはこちら
<代引きの場合>
一方、代引きの支払い金額の中身は「代引き総額」です。
代引き総額 = (1)商品代金(税込) + (2)代引き利用手数料 + (3)送料
1.購入者(受取人)がショップ(差出人に注文する
2.ショップが商品を「代引き設定」にて発送する
3.購入者負担の「代引き総額」を配達員に支払い、注文した商品を受取る
4.運送会社に送料、決済代行会社に代引き利用手数料が発生するが、最終的に商品代金がショップへ振り込まれる
「代引き総額」とは、購入者から集金する額面を指します。
「代引き総額」の金額はショップによって決められ、その中身を分解して具体的に説明します。
(1)の商品代金の販売価格は、ショップによって決められます。(2)の代引き利用手数料と(3)の送料の金額は、配送会社によって規定されますが、それを購入者に負担してもらうか否かは、ショップが決める権利を持っています。したがって、「代引き総額」はショップによって決められるものだと言えます。
代引きで荷物を送る方法
以上のことから「代引き」と「着払い」の違いがわかるでしょうか。商品代金も一緒に配達員に集めてほしい時には、「代引き」と呼ぶことが正しいのです。
それでは次に、代引きで荷物を送る際の事前準備3つをわかりやすく説明します。
準備1.運送会社との契約はお済みですか?
以上のように、代引きサービスはお金の動きと同時に、物流も常々動くことが特徴であり、常に運送会社とセットでのサービスだと言えるでしょう。そのため、事前に運送会社との契約手続きを結んでおくことが大切です。代引きサービスの契約と輸送契約は別物であるため、まずは運送会社との契約手続きが必要です。
ちなみに、運送契約を結んでおくと、荷物1つを発送するたびに現金で送料を支払う手間がなくなります。運送会社にて定められた支払いサイクルに基づき、決められた期間内に発送した荷物の送料を一括で支払うことができるためです。そのため、代引きサービスを利用する前に、あらかじめ運送会社に問い合わせ、請求書での支払い契約をしておくことをオススメします。
ヤマト運輸運送契約(請求書払い)を詳しく知りたい場合、お問い合わせ先はこちら
準備2.入金口座はお持ちですか?
購入者(受取人)から集めてきたお金から、代引き利用手数料を差引いた金額を、ショップ(差出人)へ振り込むのが代引きの仕組みです。つまり、購入者から集めてきたお金は、最終的に、ショップが指定した口座に入ることになります。代引きサービスを利用する前に、ショップの社名や屋号名義等の口座を用意しておくと安心でしょう。
さらに、口座を用意する際に、銀行によって振り込み手数料が変わることがあります。たとえば「同行扱」とする金融機関間の振り込み手数料は、「他行扱」とするそれに比べて、半分以下で済ますことができます。
各社によって料金体系が異なりますが、例えば、ヤマト運輸の場合は、下記のとおりです。
お振込一回あたりの振込み手数料 | ||||
---|---|---|---|---|
入金金額 | 同行扱 | 同行扱金融機関 | 他行扱 | 他行扱金融機関 |
1万円未満 | 110 | みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、北海道銀行、七十七銀行、千葉銀行、第四銀行、静岡銀行、中国銀行、十八銀行、西日本シティ銀行 | 330 | 左記以外の金融機関 |
3万円未満 | 110 | 440 | ||
3万円以上 | 275 | 605 |
このように、1回につき数百円の節約だとしても、年間で見れば、その金額は馬鹿になりません。代引きの利用頻度と鑑み、少しでも費用を節約する入金口座を用意しましょう。
準備3.決済代行会社へのサービス申込を忘れずに
運送会社と契約が済み、入金口座も用意したら、決済代行会社との契約を忘れずに行いましょう。代引きサービスを提供する多くの会社は、物流企業系列の決済代行会社となります。 例えば、ヤマト運輸では、代引きサービスを「宅急便コレクト」という商品名で提供しています。
ヤマト運輸の場合、わざわざ電話をかけなくても、24時間インターネット上で代引きの利用申請を受け付けています。
法人や事業を営むEC事業者は、サービス申込フォームの指示に従って情報を記入すれば、簡単に代引きサービスを申し込むことができます。
まとめ
いかがでしたか。このように、着払いとは、荷物の送料を受取人が支払うことを指します。一方、代引きサービスは、購入者とショップの商取引が成り立つことを前提とした物流系集金代行サービスです。似て非なるものですが、必要な手続きも異なることを念頭に置いておきましょう。
代金引換決済についての詳しい資料はこちら