小売店・量販店向け配送を見直し、コストを約30%削減。納品時トラブルもゼロに

株式会社ドームの小売店・量販店向け配送ソリューション導入事例をご紹介

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株式会社ドームは、米国アンダーアーマー社の日本総代理店としてアンダーアーマーブランドのアスリート向けアパレル・フットウェアの輸入販売や、国内向け商品開発を行っています。「スポーツを通じて社会を豊かにする」をミッションに、自社物流センター「ドームいわきベース」を2016年に福島県いわき市で設立しました。そして2021年8月に、小売店・量販店向け配送をヤマト運輸に委託。その経緯や効果について、株式会社ドーム サプライチェーン 副本部長 石井宏史様、株式会社ドームユナイテッド ドームいわきベース センター長 澁谷晋司様に伺いました。

ポイント

課題

新型コロナウイルス感染症の流行にともなう影響で売上高の減少傾向が続くなか、年々上昇する配送コストの改善が急務となっていた。また、ECサイトで購入されたお客さまの非対面受け取りニーズが高まっていた。

導入ソリューション

小売店・量販店向け配送ソリューション

  • 複数店舗へのミドルマイル配送において、事業者さまのご要望に応じた効率的で柔軟な配送ソリューションを提供します。
  • ヤマト運輸の全国ネットワーク・経営資源を活かし、お届けまでのリードタイム短縮・配送コストの削減などに貢献します。

EAZY

  • 事業者さまのECサイト上や配送をお知らせするメール上で、お届け時の受け取り方法を選択できます。
  • 玄関ドア前、ガスメーターボックス、自転車のかごなど、多様な受け取り方法を提供します。

効果

  • 年間の配送コストを前年比約30%削減。
  • 配送品質の向上により、ケース破損などの納品時トラブルがゼロに。
  • 非対面受け取りのニーズに対応し、ECにおける顧客満足度が向上。

年々上昇する配送コスト。その改善が緊急課題に

機能性・肌触り・着心地の良さでアスリートに愛されるアンダーアーマー商品がお客さまの手元に届くまでに、すべての在庫は一度、自社物流センター「ドームいわきベース(以下、DIB)」に集約されます。総床面積1万6,315坪、免震構造のDIBから発送されるお荷物は、(多い時には)1日10万ピースにも上ります。

「2016年にDIBを設立した背景には、物流センターも自前で運営することで、企画・開発、生産管理から販売・返品、さらにはカスタマーセンターに至るまで一気通貫してサプライチェーン全体を把握し、“本来あるべき理想の姿”を模索していこう、という狙いがありました。もしかすると自社で建てるには規模が大きすぎたかもしれませんが、かねてより海外の成功事例などグローバルの状況を学びつつ、自前だからこそできる最適なオペレーションの実践を常時目指しています」(石井様)

サプライチェーン本部 副本部長 石井宏史様
株式会社ドーム サプライチェーン本部 副本部長 石井宏史様

DIBで働くスタッフの多くは、地元いわき市出身です。ドームグループである株式会社いわきスポーツクラブが運営するサッカーチーム「いわきFC」などスポーツで市民とつながっていますが、社員やパート、障がい者雇用を通じてもまた、地域とつながっています。

「スポーツマインドにあふれるスタッフが、日々、自己の成長、会社の成長のため切磋琢磨しています」(澁谷様)

新型コロナウイルス感染症の流行によりスポーツ関連業界も打撃を受けました。また、配送コストも上昇したことでヤマト運輸に相談をしたそうです。

「ヤマト運輸が再編成を発表し、“ワンヤマト”として、宅急便で培った個人向けサービスに加え、法人向けの支援にも力を入れていくという方針を、報道やヤマト運輸の営業担当者を通じて伺いました。もともと、一人ひとりのお客さまに向き合うヤマト運輸の姿勢に共感していましたし、法人向けサポートも同様の姿勢で臨んでいくという構想に強い納得感がありました。ダイレクト事業からスタートしたビジネスも、いつしかホールセールビジネスが大きくなってきた我々にとって、これからBtoC事業を伸ばしていく時に、顧客と向き合い続けて成長されてこられたヤマト運輸の姿勢・カルチャーに学ばないといけないと考えました。また、多くの企業様と長年に渡り取引をしてこられたヤマト運輸の知見・ノウハウは、物流はじめ、まだ駆け出しの我々にとっては学ぶべきものが多いはずと考えました。そしてBtoB/BtoC共に扱うことでのスケールメリット・効果も生まれる(はず)、ということで DIBからの配送のみならず、トータルで色々なことをお取り組みできるパートナーをお願いできないかと打診いたしました」(石井様)

入念な準備でスムーズに導入を完了、配送コストは約30%も減少

これまでもECサイトで購入されたお客さまの商品配送は、ヤマト運輸が担っていました。しかし、小売店・量販店向けの配送量はその9倍と規模も大きく、配送先ごとに求められるニーズの違いもありました。

小売店・量販店向け配送ソリューションの導入にあたっては、営業担当者に粘り強く、丁寧に対応いただきました。送り状変更にともなうシステム切り替えや、検品など出荷オペレーションの変更などもありましたが、入念に準備を重ねたおかげで、トラブルなく移行の日を迎えることができました。また、以前に比べ、リードタイムが短くなる地域もあれば長くなる地域もありましたが、配送先にご不便がないように、一部で規定よりもリードタイムを短縮していただいたり、お得意さまならではの商習慣に合わせたりと、柔軟に対応してもらいました」(澁谷様)

センター長  澁谷晋司様
株式会社ドームユナイテッド ドームいわきベース センター長 澁谷晋司様

こうして、2021年8月より、正式に運用がスタートしました。

「トータルの配送コストを下げることは、弊社にとって一番の課題でしたが、かといって無理な値引きまでは望みませんでした。コスト削減と、サステナビリティの高いホワイト物流とを両立させたいからです。ヤマト運輸からの提案によって、関係者に負担をかけることなく、年間の配送コストが前年比で約30%削減を実現という、うれしい結果になりました」(石井様)

あわせて導入されたのが、ECサイトで購入されたお客さまの非対面受け取りが可能となるEAZYです。

「そもそも置き配は、顧客利便性から選択できるようにしたいと兼ねてから考えておりました。さまざまな状況下でスムーズに商品を受け取るため、非対面のニーズはここ数年、急速に広がったと実感しています。新型コロナウイルス感染症を経て、さらにニーズは強まっていると感じていました。EAZY導入にはそれなりのコストはかかりますが、お客さまの利便性には代えられない、という強い思いを持ってお願いしました。また再配達問題への解決策の1つでもあります。配送効率のアップは、コスト削減へも直結、顧客への還元という流れにも繋がっていくものです」(石井様)

これに加え、ポスト投函型のコンパクトな商品発送方法であるネコポスを積極的に採用しはじめたことで、ECサイトでの配送においても順調にコストを抑えることができています。

顧客起点のヤマト運輸の姿勢から学び、業界改革を共に目指したい

そのほか、ヤマト運輸に変わって改善されたことに、配送品質の向上があるといいます。

「品質にはとても満足しています。セールスドライバーの荷扱いが丁寧だと社内でも定評はありましたが、ヤマト運輸に対応いただくようになってから、納品時のケースの破損や、数量が異なるなどのトラブル・お問い合わせが激減しました。直接お褒めの言葉をかけていただくことはないですが、これこそ、スムーズにお届けできている証だと思います」(澁谷様)

DIBから出荷される商品
「DIBから出荷される商品をヤマト運輸は丁寧に扱ってくれています。配送時のトラブルも激減しました」(澁谷様)

「ヤマト運輸からは、輸送以外にも多くの取り組み、連携をさせて頂いております。例えば、社員教育、顧客との向き合い方、顧客起点に立った時に、変化を厭わず、適切に柔軟に対応されていく企業姿勢、決済手段の提案、ライブコマースのような新しい販売手法など。さまざまなアイディアと情報をいただき、沢山の刺激を受けています。これからは私たちも顧客起点の考え方を学び、DtoC(中間業者の入らないECサイトや直営店での販売)、ロイヤリティの向上へさらに力を入れてまいります。日本のスポーツ市場は、2025年には15兆円と2015年時と比べて約3倍へ伸びることが期待されており、欧米と比べても、まだまだ成長の余地がある分野です。ヤマト運輸には、スポーツ業界全体に良い影響を与えるべく、物流・サービスの改善に共に取り組んでいただくパートナーとしてこれからも期待しています」(石井様)

※掲載記事の内容は取材当時のものです。

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