ECサイトで押さえておくべきドメインとSEOとの関係性について

ECサイトで押さえておくべきドメインとSEOとの関係性について ECサイトで押さえておくべきドメインとSEOとの関係性について

ECサイトを開設する際、独自ドメインと共有ドメインのどちらにするかを悩みますよね。結論から言えば、ドメインの種類そのものがSEO的に有利・不利に働くことはありません。ただし、サイトの性格や種類によっては、いずれかを選んだ方がSEO対策上便利だということはあります。

ドメインの種類ごとの違いと特徴

「サブドメインを使ったら検索エンジンで上位表示できた」とか「独自ドメインでないとSEO的な効果がえられない」といったさまざまな声が、巷に溢れています。ここではまず、それぞれのドメインの特徴や違いを解説し、次の項では、ドメインの種類による有利・不利の有無について、本当のところを解説します。

独自ドメイン・共有ドメイン・サブディレクトリそれぞれの概要と違い

まず独自ドメインとは、自社だけで利用できるドメインのことを指します。たとえば「example.jp」「example.co.jp」といった汎用型・属性型のJPドメイン、「example.com」「example.org」といったgTLDドメインなどがあげられます。これらは、レンタルサーバ業者やドメイン専門の業者などを通して、1年単位で契約するのが一般的です。

独自ドメインの取得や維持には別途費用がかかります。また、利用するサービスやサーバにより異なりますが、独自ドメインを使うための特別な設定を自身でしなければならないことがあるため、事前に注意が必要です。その一方でレンタルサーバを移行する際に、新しいサービスに既存の独自ドメインを持ち込むことができるというメリットはあります。

次に、共有ドメインとは、同じサービスを利用中のほかの事業者と共有して使うドメインのことです。たとえば「example.jp」というドメインが用意されている場合、「aaa.example. jp」のaaaの部分については、自身で決めて使うことができます。この際、ほかの事業者は「bbb.example.jp」や「ccc.example.jp」などを利用します。

共有ドメインは、レンタルサーバに付加されるサービスであり、ほかの事業者と共有して利用するものなので、独自ドメインのように別途費用がかかることや、自身でドメインを使うための特別な設定をしなければならないことは通常ありません。

しかし、そのサービスに付加しているドメインであるため、レンタルサーバの移行を行う際、新しいサービスに旧サービスの共有ドメインを持ち込むことは、通常できません。そのため、新しいサービスで新たにドメインを取得することが必要です。

一方、新しくサイトを立ち上げる際に、サブディレクトリを利用することもあります。サブディレクトリとは、ドメインの後ろに新たなディレクトリ名をつけて利用することです。たとえば独自ドメイン「example.jp」を「example.jp/aaa」のように、別の独自ドメイン「aaa.example.jp」を「aaa.example.jp/bbb」のように、それぞれディレクトリ名である新しい文字列を追加して利用します。

ドメインの種類によるSEO影響

新規サイトの開設時ドメインの種類によってSEOに影響はあるのか?

ドメインの種類によるSEOへの影響については、さまざまな意見があるようですが、Googleのジョン・ミューラー氏はこれについて、次のように回答しています。「私たちの見解では、サブドメインもサブディレクトリも、本質的には同等だ。(中略)どちらがよいかは、利用しているシステムで、どちらが扱いやすいかに依る」と。また、Googleのウェブマスター向け公式ブログにおいても、「新しいgTLDも他のgTLDと同じように処理されます。」と記載されています。これらのことから、ドメインの種類によるSEOへの影響はないと考えられます。

しかし、利用シーンによってはどちらを選ぶかで、SEO対策のしやすさに違いが生じることはあります。ここでは利用シーンごとに、どんなドメインを選ぶとよいか、といった参考例をいくつか紹介します。

新規サイトの開設時

新規サイトの開設時

たとえば本格的にEC事業を始めるなど、自社ブランドのイメージを重視したい際は、独自ドメインを取得した方がよいでしょう。サービスが用意した既存ドメインと比較した場合に、より自社のイメージに近い文字列でドメインを取得できるため、購入者にもブランド名やショップ名を覚えてもらいやすくなります。また、サービス共有のドメインを使うより、独自ドメインの方が購入者に信頼されやすいといったメリットもありますね。そして、将来的にレンタルサーバを変更することになったときも、移行先でドメインをそのまま利用できるメリットもあります。

一方、ECサイトの開設前に、実験的にある商品が売れるか試してみたいといった際に、あえて自社で取得した独自ドメインを使わず、共有ドメインを利用するという選択もありえるでしょう。

既設のサイトを移行する際

コーポレートサイトやECサイトをすでに運営中で、新しいレンタルサーバに移行するなどの場合は、利用中のドメインをそのまま継続するのがおすすめです。そのドメインに対して積み上げてきたSEO効果を、引き継ぐことができるからです。一方、既設サイトのSEO効果がとても低い(検索順位が非常に低い)場合で、なおかつブランドイメージを刷新したいといったときは、新たにドメインを取得するという方法もあります。

このように、サーバを移行してもドメインを滞りなく移行できるように、あらかじめ独自ドメインを取得、利用することのメリットも考慮しておきたいところです。前述したように、サービスが用意した共有ドメインでは、サービス移行時に新サーバ側へ引き継ぐことができないのです。

既設のサイトのほかに新規サイトを開設する場合(サテライトサイトなど)

このパターンでは、用途の細かい違いによって、どんなドメインを使った方がよいかはさまざまです。例えばすでに、独自ドメインでコーポレートサイトを運営していて、新規サイトを開設する場合を考えてみましょう。

既存のブランドイメージの延長で、新商品用のサイトを開設する場合、新規に独自ドメインを取得せず、利用中のドメインのサブドメインかサブディレクトリを利用するとよいでしょう。新規ドメインを取得するよりも手軽であり、既存ドメインのSEO効果を引き継ぐことが可能です。また、購入者に「このECサイトの商品だな」ということを理解してもらいやすいメリットもあります。

なお、サブドメインとサブディレクトリの使い分けですが、サブドメインの方が既存サイトとの違いを強調しやすく、サブディレクトリの方が既存サイトとの一体感が生まれやすくなります。あとは、構築するサイトにあわせて選んでください。

一方、新しい事業用のサイトを開設する場合や、自社にとって画期的な商品用のサイトを開設する場合などは、あえて別途、独自ドメインを取得してアピールするという方法も検討するとよいでしょう。既存ドメインのSEO的な強さを利用できないデメリットはありますが、対外的に新しいサービスであることを訴える効果はあります。

また、サテライトサイトやブログなどを開設する際も、考え方は同じです。既存ドメインのSEO効果を引き継ぎたいとか、既存ドメインのサイトとの関連をアピールしたいといった場合は、サブドメイン・サブディレクトリを選びます。逆に、既存ドメインへのペナルティを避けたいとか、新しいコンセプトのサイトであることをアピールしたいといった場合には、新たに独自ドメインを取得するか、サービスが用意する共有ドメイン(サブドメイン)を利用します。

ドメインよりSEOに大事な要素はなにか

ドメインよりSEOに大事な要素はなにか

さて、これまではドメインの種類や特徴、用途別の使い分けなどについて説明してきましたが、SEOを気にするのであれば、ドメインよりもチェックすべきポイントがほかに多くあります。例えばコンテンツの質や独自性は、もっとも重要な要素です。仮にECサイトを立ち上げたとしても、購入者にとって読む価値のないコンテンツしかなければ、SEO効果をあげることはできません。

また、ページごとの見出しや、サイト内でアクセスしたいコンテンツを見つけやすくするためのパンくずリストなど、購入者や検索エンジン(Googleクロール)にとって情報を見やすくするためのサイト構造上の工夫も、SEO対策には効果的です。

まとめ

ドメインの種類(独自ドメイン・共有ドメイン・サブディレクトリ)とSEOの関係についてまとめましたが、いかがでしたか。説明した通り、ドメインの種類によって、直接的なSEOへの効果が減増することはありません。

ただ、独自ドメインは、その取得や維持に別途費用がかかったとしても、サービス移行時にドメインの効果を引き継げるなどのメリットがあります。

副業で手軽に始めたECサイトも、運営次第では本格的なECサイトに成長することもあるでしょう。そのため、どちらか迷うのであれば、潜在的にSEO効果を発揮しやすい独自ドメインを選んだ方が無難であると言えます。

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