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- 売れるECサイトの仕組みとは?売上アップにつながる改善ポイントを解説
ECサイトが売れないと悩む運営担当者は、売れない理由がわからずに困っているのではないでしょうか?
「売れる仕組み」を知れば、自社ECサイトの改善点も見えてきます。現状の問題点を把握する方法から「売れるECサイトの10の仕掛け」までとことん解説します。
売れる・売れないECサイトの違い
売れないECサイトの運営担当者は、「今月はいくつ売れたか・いくら売れたか」ということばかり気にしがちです。しかし「購入数」や「売上金額」は最終的な結果に過ぎません。売れるECサイトを目指すなら、購入数や売上金額よりも、そのもととなる「訪問者数」、「購入率」、「客単価」の3つを最低限把握することが大切です。
■購入数や売上金額は、このように計算できる
「訪問者数」×「購入率」=「購入数」
「訪問者数」×「購入率」×「客単価」=「売上金額」
つまり、「訪問者数」、「購入率」、「客単価」を向上させれば売上は上がる、という計算式が成り立ちます。
そして、「訪問者数」を増やすには、「集客力」が必要です。「購入率」や「客単価」をアップするには、「売れる仕掛け」が必要です。
すなわち、売れるECサイトに最低限必要なものは「集客力」×「売れる仕掛け」となります。
「売れる仕掛け」を一言で解説すると「思わず購入したくなる仕掛け」を指しています。そのことについては後述しますが、たとえば、初めての購入者向けにお試しセットがあるといった品揃えの面から、ECサイトの目立つ位置に決済方法が表示されている、といったデザイン面まで色々とあります。
しかしまずは、「集客力」と「思わず購入したくなる仕掛け」が両輪であることを強く意識しましょう。
なぜなら、集客力があっても売れる仕掛けがゼロであれば、サイト訪問者は何も買わずに帰ってしまいます。また、いくら売れる仕掛けがあっても集客がゼロであれば、だれも見てくれない開店休業状態のECサイトになってしまうからです。
それでは、「集客力」と「思わず購入したくなる仕掛け」がある、売れるECサイトになる方法を解説していきます。
「集客力」--集客力を上げるためにやるべきこと2つ
ECサイトへの集客方法は、検索でヒットしやすいコンテンツを作る、SNSで発信してサイトに誘導する、有料広告を打つ、などが代表的です。 「1日も早く売れたい」気持ちがあると、すぐに有料広告を打ちたくなるかもしれませんが、その前にやって欲しいことが2つあります。
集客力を上げるために、明確な目標値を設定する
1つ目は、集客数の目標設定です。まず、訪問者数をGoogleアナリティクスなどの無料解析ツールを使って調べます。訪問者数が把握できたら、売上目標を達成するにはどのくらいの集客数が必要なのか、計算してみましょう。
EC業界ではよく「購入率の目安は訪問者数の1%から3%前後」と言われますので、現状の購入率がそれより低ければ、まず購入率1%を目指すとよいでしょう。
例えば月間の売上目標が30万円で、客単価(平均受注単価)が3,000円の場合、月間の目標購入数は100回です。購入率1%を目指すなら、訪問者数は月間10,000人必要なので、毎日約330人を集客することが目標となります。
集客に強いECサイトになるために、ターゲットを明確化【事例付き】
集客数の目標を設定したら、やるべきことの2つ目として、自社の顧客像を明確にイメージしてください。やみくもに集客するのではなく、ターゲットにふさわしい集客方法を考えて効果的に集客するためです。
<顧客像をイメージしよう>
商品が「お弁当グッズ」で、自社商品の強みが「時短できること」や「キャラ弁作り」なら、顧客像は、「朝は大忙し、子育て中のお母さん」がイメージできます。
<ターゲット顧客向けの集客方法を考えよう>
次に、顧客像にふさわしい集客方法を選び、集客数の増加や購入率のアップにつなげていきます。
例1:検索でヒットしやすいコンテンツを作る
サイト内で「時短でもこんなに可愛い!子どもが喜ぶキャラ弁の作り方」という、ハウツー系のコンテンツを作る。自社商品を使って、時短キャラ弁の実例を紹介する。
例2:SNSで発信してサイトに誘導する
Instagramで、「我が家の時短キャラ弁」の投稿を呼びかけ、口コミ効果を狙う。自社商品のハッシュタグをつけた方にはECサイトで使えるクーポン券をプレゼント。
例3:有料広告を打つ
ターゲットに響く広告文やバナーを考える。広告の出し分けができる場合は、出稿先に子育てママの交流サイトなどを選ぶ。
集客と並行して、日々、ECサイトの魅力をアップすることを心がけましょう。魅力がなければ、集客数を増やしても直帰率が上がっていくだけです(直帰率=訪れたユーザが、最初に見たページからほかのページを全く見ずにサイトから離脱する確率)。ターゲット顧客が読みたくなるようなコンテンツを作ることや、購入者目線でサイトの商品写真や文章を修正することなどで、魅力を高めることが可能です。
「思わず購入したくなる仕掛け」--購入率や客単価をアップする方法
さて、はじめにお話ししたように、「集客力」だけでは売れるECサイトにはなれません。継続的な売上を作るには、「思わず購入したくなる仕掛け」を用意して、購入率や客単価を向上させる必要があります。
「思わず購入したくなる仕掛け」を考える
「思わず購入したくなる仕掛け」は、品揃えとデザインの両面から考えることができます。以下に代表的なものをまとめました。
切り口 | 思わず購入したくなる仕掛け (購入率や客単価をアップする方法) |
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品揃え |
|
デザイン |
|
品揃えもデザインも、新規顧客とリピーターそれぞれの視点に立って、「どんな仕掛けを用意したら購入のハードルが下がるかな?」と考えてみましょう。
デザインで購入者の気持ちを変える・行動を起こさせる
デザイン面の仕掛けは少しイメージしにくいと思いますので、売れるECサイトが実践しているごく基本的な例を2つあげます。
ポイントは、デザインによって購入者の気持ちを購入に向かわせ、「注文ボタンをクリックする」といった行動が起きるようにすることです。
- 決済方法や送料が一目で分かるデザイン
ECサイトの上部に、使えるクレジットカードの種類や送料の有無、お届け日数などをアイコンやロゴで分かりやすくデザインすると、はじめて訪れた購入者を「ここで買い物しても大丈夫そうだ」という気持ちにさせることができます。 - ボタンやリンクが押しやすいデザイン
ボタンやリンクを適切に配置し、押しやすくデザインにすると、「商品を選ぶ」「買い物カゴに入れる」などの行動を促すことができます。
デザインは、視覚情報が頼りのECサイトにとってはかなり重要です。たとえば、家電量販店の広いフロアにたくさん商品が並んでいたら、スタッフに自分の欲しい商品がどこにあるのか聞きたくなりますよね。でも結局、スタッフがつかまらなくて、「時間もないし今度でいいや」と店を出てしまった経験はありませんか?
同じことが、ECサイトでも起こります。
離脱されないためにも、スタッフの代わりとなる目立つボタンや分かりやすいアイコンを配置して、購入者の知りたい情報や商品が簡単に見つかるようなデザインを取り入れましょう。
売れるECサイトの「10の仕掛け」
売れるECサイトになるための「10の仕掛け」をピックアップしました。
売れるECサイトになるための仕掛け | |
---|---|
1 | 商品を見つけやすく購入しやすいデザインになっている |
2 | 特徴や使用シーンが顧客に伝わる商品写真が掲載されている |
初心者でもプロ並みに商品写真を撮れるコツ | |
3 | 購入者目線で分かりやすい商品説明文が書かれている |
【例文】商品説明文の書き方・PRのコツ | |
4 | ECサイト運営担当者の情報、商品代金以外の費用や返品手続きの説明がはっきりしている |
ECサイト開業者必見!特商法表示の仕方と罰則 | |
5 | 購入者に選ばれる決済方法が揃っている |
最初から揃うべきECサイトの決済方法と理由 | |
6 | セキュリティ、個人情報の管理がしっかりしている |
非保持化対応が必須!高セキュリティの決済方法「トークン決済」を徹底解説 | |
7 | ヘッダーなどの目立つ場所に決済方法・送料・問い合わせ先が表示されている |
8 | フッターに購入方法や配送方法などの要約が表示されている(または記載がすぐに見つかるリンクがある) |
9 | 商品が充実していて、人気商品やおすすめ商品が一目でわかる |
10 | 購入者の声、商品レビュー、商品の使い方など参考になる情報が公開されている |
こうして書き出すと、当たり前に思えることばかりですが、もれなく実施できているショップは意外と少ないのです。できていない項目があれば、そのうち一つでも良いので改善してみてください。
先ほど、デザインのポイントは、購入者の気持ちを購入に向かわせ、行動を起こしてもらうことだと言いましたが、それは商品写真や説明文も同じです。
売れるデザイン・売れる商品写真・売れる商品説明文については、それぞれ別のページで詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
また、最近はサイトのセキュリティ面を強化することが重要視されていて、対策が遅れているECサイトは購入者の信頼を得られない恐れがあります。とくに決済方法はセキュリティがしっかりしているものを導入しましょう。
「1個売れる」を積み重ねる・売れるECサイトの心構え
ECサイトは星の数ほどあり、売れないネットショップがほとんどだと言われることがあります。個人や小規模のECサイトは、大手と同じフィールドで厳しい競争をしなければなりませんが、大企業のようなネットワーク構築やシステムへの投資はできません。当然、打つ手が違ってきます。
個人や小規模なECサイトの強みは、「1個」の商品を「一人の顧客に売る」ことを地道に積み重ねながら、そこから数多くのヒントを得られることです。購入者との距離が近い分、顧客目線に立って、効率優先では思いつかない「売れる仕掛け」を考えることができますし、フットワークの軽さも有利に働くでしょう。
まとめ
売れないECサイトを売れるECサイトにするために、やるべきことがイメージできましたか?売上金額ばかりに注目していると、売れない理由はなかなか見えてきません。ここで紹介した方法を参考に、現状を把握し、目標を設定し、不足している「集客力」と「思わず購入したくなる仕掛け」を洗い出して、次の打ち手を決定しましょう。