軽減税率へ対応するため新システムが必要に

創業は江戸時代初期、松平忠輝公（徳川家康の六男）が座右に置いたという逸話も持つ老舗酒蔵・宮坂醸造。酒販店への卸しに加え、「真澄」などの日本酒を中心に酒粕を使ったスイーツ、日本酒に合うおつまみなどを、自社ECサイトにて販売しています。

2019年10月、軽減税率制度の実施に伴い、酒類の通販は消費税率10％、アルコール度数1％未満の商品は8％など、商品ごとに税率を変えることが必要になり、EC販売管理システムもこれに対応しなければならなくなりました。

「それまで10年ほど使っていたEC販売管理システムが軽減税率に対応しておらず見直すことになった際、いつも配送をお願いしているヤマト運輸から紹介いただき、産直くんの導入を決めました」（岩波様）

ヤマト運輸とは長い付き合いの中で育まれてきた信頼関係があったため、配送以外の決済サービスやEC販売管理システムでもヤマト運輸のサービスを使うことは、ごく自然な流れだったそうです。

ECサイトの運用が効率化したことで、本業の酒造りに集中できる環境に

産地直送 顧客管理システム 産直くん10を導入してから大きく変化したのが、出荷にかかる作業が大幅に軽減できたことでした。

「産直くんでは、ECシステムからの注文をもとにB2クラウドを使い、お届け先情報を管理したり、送り状を発行したりといったことがかんたんにできるようになりました。受注、決済、配送までヤマト運輸のサービスで完結しているので、ぐんと便利になりましたね」（岩波様）

それでも、出荷数が増えれば商品発送の手配だけでもひと仕事となります。そのため、決済と配送がワンストップで任せられるヤマト運輸のサービスは、忙しい担当者にとって、とても魅力的だったそうです。

「私たちの本業はあくまで酒造りなので、ECサイトの運営や商品の発送にあまり時間と人手を割くことができません。しかし、お客さまのご要望はできるだけ叶えたいという思いもあるので、瓶の形がそれぞれちがう商品がうまく収まるよう梱包したり、贈りものであれば熨斗やお手紙を付けたりといったきめ細やかなサービスにも、気を抜きません」（岩波様）

商品のお届けについては、現社長の修行時代からご依頼いただいている長い関係です。

「社長が東京の百貨店で修行をしていたときにヤマト運輸のことを知ったそうです。『銀座に発送の翌日に荷物を届ける、良い運送会社があるぞ』という話を耳にして、酒販店さんへの商品発送をお願いするようになったのがはじまりです。クール宅急便のおかげで、生酒という要冷蔵の日本酒も商品化できたのです。今では珍しくなくなりましたが、当時としては画期的な商品で、発送が間に合わなくなるくらいヒットしたのを覚えています」（岩波様）

ときには1日何百件もの商品を送るために、セールスドライバーと一緒になって送り状を貼ったこともあったそうです。そんな日々の助け合いから、信頼できるパートナー関係が築かれていきました。

ざっくばらんに相談できる、顔の見える関係が心強い。

受注、決済、配送までヤマト運輸のサービスをお使いいただくことでECサイト運営の省力化に成功。今後の展望についてもお伺いしました。

「先代からの「家庭円満に役立つ酒を造ろう」という思いから、真澄は食事を引き立てる酒としても有名です。真澄の特設サイトでも四季折々の料理とそれに合う日本酒をご紹介する“真澄のある食卓”というコンテンツの発信にも力を入れています。私たちは、日本酒を造って売るだけではなく日本酒を飲みながら過ごす“和やかな食卓”のイメージを伝え、お客さまの日々の生活が少しでも幸せなものになるようにお手伝いをしたいと思っています」（岩波様）

ECサイト運営の取り組みのなかで、ヤマト運輸には、さまざまなサポートを期待されています。

「どんどん新しいITシステムが出てくる今だからこそ、私たちにとって何が本当に必要なのか、ざっくばらんに相談できるパートナーでいてほしいですね。新しいものをどんどん取り入れれば、その分新しく覚えないといけないことが増えたり、作業が煩雑になったりすることがあります。そのあたりの見極めが難しいこともあるので、顔の見える営業担当が相談に乗ってくれるのは本当に心強いですね。これからも頼りにしています」（岩波様）

※掲載記事の内容は取材当時のものです。