返品プロセスのデジタル化を実現。サービス利用率は9割にのぼり、業務効率化とコスト削減にも貢献
ギャップジャパン株式会社のデジタル返品・発送サービス導入事例をご紹介
製造小売業
DX
業務効率
通信販売
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ギャップジャパン株式会社は、米・サンフランシスコに本社を置くGap Inc. の日本法人で、カジュアルファションブランド「Gap」、「Banana Republic」を通じ、メンズ、ウィメンズ、キッズ向けのウェア、アクセサリー製品を展開。2021年8月より、公式オンラインストアへ「デジタル返品・発送サービス」を導入しました。お客さまの反応や、物流センター、コールセンターで得られた効果について、ギャップジャパン株式会社ロジスティクス ディレクター 望月一利様に詳しく伺いました。
課題 |
オンラインストアの利便性を高め、顧客体験を向上させるため、返品プロセスの改善が必要だった。また物流センターやコールセンターにおいては返品業務に手間がかかり非効率であったため、効率的な運用を構築する必要があった。 |
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取り組み |
「デジタル返品・発送サービス」の導入により、返品プロセスのデジタル化を実現。返品の際、お客さまのスマホやPCでの手続きが可能に。集荷方法も多様となり、ご自身のライフスタイルに合う返品方法を選べるようになった。 |
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成果 |
デジタルによる返品サービスの利用は9割にのぼり、お客さまの購入体験向上に寄与。また返品業務の効率化とコスト削減、再在庫化のスピードアップを実現。さらに、返品状況の可視化により物流センターやコールセンターの計画的な人員配置が可能となった。 |
課題
オンラインストアの利便性を高め、顧客体験を向上させるため、返品プロセスの改善が必要だった。また物流センターやコールセンターにおいては返品業務に手間がかかり非効率であったため、効率的な運用を構築する必要があった。
取り組み
「デジタル返品・発送サービス」の導入により、返品プロセスのデジタル化を実現。返品の際、お客さまのスマホやPCでの手続きが可能に。集荷方法も多様となり、ご自身のライフスタイルに合う返品方法を選べるようになった。
成果
デジタルによる返品サービスの利用は9割にのぼり、お客さまの購入体験向上に寄与。また返品業務の効率化とコスト削減、再在庫化のスピードアップを実現。さらに、返品状況の可視化により物流センターやコールセンターの計画的な人員配置が可能となった。
ギャップジャパンでは、若者から中高年層まで幅広く人気のGap、Banana Republicの店舗販売に加え、公式オンラインストアで商品を販売しています。近年は新型コロナウイルス感染症の流行によってステイホームの気運が長期に渡り、カジュアルウェアを中心とする同社の公式オンラインストアにおける需要は大幅に高まりました。
ECサイトでは、フィットするサイズやイメージに合った服を店頭で試着するように選ぶのは難しいものです。届いた商品がどうしても合わなければ、返品することになります。
「日本のECサイトでの返品率は数パーセントですが、アメリカでは2桁返品が一般的です。日本ではそこまで増えなくとも、特に洋服に関しては実際にはもう少し返品ニーズがあるのではないかと考えています。逆に、サイズや色が合わなかったらどうしよう、返品は面倒だと思う気持ちが、購入の躊躇いにつながるのではないでしょうか」(望月様)
店頭での返品も可能ですが、郵送返品はコールセンターに架電して集荷の手配をしていただく必要がありました。
返品プロセスの改善は、公式オンラインストアの利便性を高め気軽に購入できるようにするだけでなく、企業理念のサスティナビリティ向上のためにも必要なものでした。
「返品業務は、物流センターやコールセンターでもっとも手間がかかり効率の悪い業務です。物流センターの稼働時間短縮によるエネルギー節約や、スタッフの働きやすいシフト体制作りに取り組んでいます。しかし、返品がいつどれだけ来るのか誰にもわからないため、予想外の残業が増えたり負担が偏ったりすることも多かったのです」(望月様)
ほかにも、コールセンターと物流センター間でのメールや電話の個別やりとり、検品を経て再在庫するまでのタイムロスなどの課題があり、お客さまへの商品のお届けと返品を担当するヤマト運輸とはその課題感を共有していました。
「物流面のパートナーとして社内の課題を一緒に解決していただける良好な関係性でしたから、デジタル返品・発送サービスが発表されてすぐに提案いただきました。社内で検討したところ、みんなが幸せになれるプロジェクトをやらない手はないと満場一致し、日本初の採用が決まったのです」(望月様)
デジタル返品・発送サービスでは返品に特化したポータルが提供されるためシステム構築は不要ですが、Webサイトや印刷物での返品に関わる表記を改めるほか、コールセンターや物流センターをはじめオペレーション変更の周知、教育を行う必要がありました。
「米国本社メンバーの参加もあり、早朝会議などもありましたが、返品プロセスを改善したいという私たちの気持ちは強く、関係者全員が協力し、とても前向きに取り組めたと思います」(望月様)
お客さまの反応は予想以上だったといいます。
「導入3週間後には返品の約9割がデジタル返品・発送サービス経由となっていました。待ち望まれていたのだと実感しました。スマホやPCで手続きでき、集荷方法の選択肢も多くなるのでライフスタイルにあった返品が可能ですし、手間の掛かる手続きが不要になったことも大きな変化でしょう」(望月様)
一方、返品を受け入れる物流センターでは、デジタル化によって返品の数量などを日時で確認できるため、検品から再在庫化までのスピードが向上し、季節商品の販売チャンスを逃さずに再販できるようになりました。また計画的に人員配置のシフトが組めるようになり、ワークライフバランス向上にも役立っています。
「返品コストも削減することができ、サービス導入をきっかけに公式オンラインストアの購入率は上昇しています。これだけが要因ではないものの、お客さまの返品に関わる不安が購入への躊躇いを取り払う事に一役買う事が出来たという推測もできそうです」(望月様)
デジタル化して返品が手軽になっても返品率が大幅に上がることはありませんでしたが、思わぬ変化があったといいます。返品対応では、ときにお客さまから強い苦情の手紙や、乱れた梱包での返品を受け取ることがあります。
「そういった“怒りの返品”が激減したのです。そもそも、お客さまにとっては返品そのものがストレスです。手続きでさらにストレスがかかることが、顧客体験にいかに悪影響を与えていたか、そして今回の改善がいかにポジティブな影響を与えたかがよくわかりました。お客さまだけでなく、対応するスタッフの精神的な負荷も大幅に軽減され、感謝しています」(望月様)
現在、EC事業は同社がもっとも重要視している事業分野の一つです。ヤマト運輸とは戦略的パートナーシップを組みながらさまざまな改善を続けたいという望月様。デジタル返品・発送サービスではデータの蓄積により返品の傾向分析なども可能です。今後は、社内データと返品データを統合するなどして得られるインサイトから公式オンラインストアの顧客体験向上につなげるアクションの創出にも期待しています。
「高齢化や地方への移住などが進むなか、ファッションECの進化は、社会にとっても良いことが多いはずです。どこに住んでいても、外出しづらくても、好きな洋服を楽しく公式オンラインストアで購入いただきたい。そのためにも着てだめならすぐに返せる気軽さや、受け取りや返品方法の自由度など、あらゆる面で顧客体験をさらに良くしていくことが重要です」(望月様)
「物流もメーカーも、アイディアやテクノロジーでやり方を変え、率先して業務もサービスも改善していくべきです。私たちのような、商品を作り販売する企業の目線で感じていることや問題意識を共有し、ヤマト運輸の卓越したネットワークと技術にお助けいただきながら、共にイノベーションを起こしたいと考えています。物流を良くすることは、ギャップジャパンだけのメリットでなく、ほかの企業や日本で生活している私たち全員にとって役立つ、幸せにつながる仕事と信じています」(望月様)
代表取締役社長:キャサリン・チュクロ
所在地:〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-10