ECサイトの売上拡大をはかるためには、新規顧客の獲得を目指すとともに、リピート率を上げてファンを増やしていくことが大切です。そのためには、顧客がストレスを感じずに商品を手にできる物流環境を整える必要があります。商品発送までのリードタイムの安定化と生産性の向上のために、出荷業務のアウトソースを検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、ECサイトが抱える課題と、課題の解消に役立つ物流業務のアウトソースについて解説します。
\煩雑な帳票発行、シングルピッキング、梱包、発送までを代行/
EC物流とは?
EC物流とは、EC事業を行っている会社の物流システムのことです。インターネットを介して売買を行うEC事業では、エンドユーザへの商品の配送が1注文ごとに発生します。BtoCの取引が多くなることから、少量の荷物を多くの配送先に届けなければいけません。さらに、取り扱う商品数も多く、商品も多種多様のため、商品の形状に合った梱包や保管をする必要があります。
発送の誤りや遅延があれば、顧客離れや評判の低下につながることも。そのため、EC物流では多様な注文を正確に処理していくための仕組みや、安定性、スピード、顧客の要望に応えるための細かい対応などが求められます。
製造や店舗運営など、ECサイト以外の他事業を並行して行っている企業では、EC事業にばかり時間や手間をかけるわけにはいかないため、アウトソーシングが業務効率化につながる可能性が高いといえます。また、EC事業を本業にしている企業も、アウトソーシングによって手間のかかる作業を減らし、売上を伸ばすための施策に注力しやすくなります。
EC物流の抱える課題
EC物流には、一般顧客向けであることによって発生するさまざまな課題があります。続いては、多くの事業者が抱えがちな5つの課題をご紹介します。
1.注文から発送までに時間と手間がかかる
EC物流では、インターネット上から注文を受けた後、個人のエンドユーザの注文に沿って1個単位で商品をピックアップし、検品や梱包、配送を行うことになります。パレット単位などの大きな単位でまとめて商品を出荷できるわけではないため、多くの時間と手間がかかります。
2.在庫管理が煩雑になりやすい
多くのECサイトでは、多種多様な商品を取り扱っています。一つ一つの在庫数はそれほど確保する必要がないかもしれませんが、形や大きさがバラバラな商品を取り扱うのは手間がかかりますし、種類が多いと入出庫管理や在庫管理も煩雑になります。
さらに、異なる形の商品をひとつずつ複数発送する際の梱包方法も課題です。作業員によって品質に違いが出ないよう、マニュアル化して均一なサービスを提供する必要があります。
3.倉庫スペースの確保にコストがかかる
ECサイトでは、自社で確保している商品を注文に応じてピックアップし、梱包、発送します。在庫を自社で抱えておく必要があるため、保管用のスペースを確保しなければいけません。
しかし、顧客が満足する充実の品揃えを目指そうとすると、それだけの保管スペースが必要になり、倉庫を借りるための莫大なコストがかかってしまうおそれがあります。
4.売上が上がると物流コストも増加する
事業を拡大しようとすると、それに伴って物流コストも上昇していきます。出荷量が増えればそれだけ多くの人員が必要になりますし、品切れを防いで商品数を拡充するためには倉庫を追加で確保する必要が出てきます。そうなると、売上が伸びているのに思ったほど利益が残らないといった状況に陥りかねません。
5.受注数が多くなくても手間がかかる
規模がそれほど大きくないECサイトでは、社内に商品を保管したり、社員が通常業務の中で配送作業を行ったりすることがあります。しかし、倉庫を外部に借りたり、アウトソーシングしたりせず手作業で社員が担当していると、その分本来の業務を圧迫してしまいます。
取り扱う商品がそれほど多くない分「外部の業者を委託するほどではない」「固定費を増やしたくない」といった考えから、業務効率の良くない方法を続けてしまうこともあるでしょう。このようなケースの場合は、発送業務の中でも特に手間のかかる、帳票発行や梱包、出荷のみを委託できるサービスの利用を検討してみるのがおすすめです。
ヤマト運輸の「ピック&デリバリー」では、ヤマト運輸がEC事業者さまの代わりに帳票発行・シングルピッキング・梱包・出荷を担当。発送業務のすべてを委託するサービスと比べ、在庫を預ける必要がないため、倉庫費用などの固定費はかかりません。
EC物流の課題解決には物流委託がおすすめ
EC物流の課題を解決するためには、物流委託が効果的です。続いては、EC物流で得られるメリットと、委託先を選ぶときのポイントを解説します。
EC物流委託を導入するメリット
EC物流委託には、「コスト削減が可能になる」「業務効率化ができる」「物流品質の向上が期待できる」「本来の業務に集中できる」といったメリットがあります。
EC物流業者は、EC物流に特化したサービスを行い、ノウハウを蓄積しています。そのため、物流品質の向上が期待できるでしょう。アウトソーシングによって、時間と手間を本来のコア業務に集中できるようになれば、売上アップも見込みやすくなります。
また、EC物流業者は、倉庫内業務の効率化や大量発注によるコスト削減などを行っています。自社で倉庫を管理し、人件費をかけてピッキングや検品等を行うよりも、アウトソーシングをしたほうがコストを抑えられる可能性も。委託した場合に削減を見込めるコストと、委託費用を比較してみることをおすすめします。
EC物流委託を導入する際のポイント
EC物流委託を導入する際は、自社に合ったサービスを提供している業者を選定する必要があります。導入を検討する際には、下記のポイントをチェックしてみてください。
<EC物流委託業者の選定ポイント>
・自社の抱えている課題を解決できる事業者か
・物流業者としての実績はあるか
・ノウハウの活かし方やシステム構築に魅力を感じるか
・トラブル防止策と、トラブル発生時の対応方法が整っているか
いろいろな業者を比較していると、だんだんと軸がぶれてしまうこともあります。まずは、委託業者を利用することで、どのような課題を解決したいのかをはっきりさせておくことが大切。そのうえで、自社の大切な商品と顧客情報を預けられる、信頼性のある業者を選ぶのがおすすめです。
導入する際は、どこまで業務を任せるかを検討することも大切
先程もお伝えしたとおり、どのような課題を解決したいのかが、委託業者を選定する上で大切なポイントになります。「在庫スペースや人材の確保が難しい」といったケースでは、在庫管理から梱包・配送まで、すべてを代行してくれるところを。「手間がかかる個別梱包や発送業務のみでいい」という場合は、その部分のみを委託できる業者を探してみるのがおすすめです。
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\在庫管理から受注、梱包、配送まですべての業務を代行/
EC物流の業務内容
EC物流では、さまざまなサービスを行っています。すべてではなく一部のみを委託することもできるため、業務内容を振り返り、自社の業務においてネックになっている部分での導入も検討してみましょう。
入庫・検品
入庫・検品では、物流倉庫に届いた商品に問題がないかどうかを確認する作業が必要です。実際の荷物と伝票をもとに、数量、品番、状態をチェックします。
棚入れ・保管
注文が入るまで、商品を保管する必要があります。棚入れ・保管では、商品の所在がわからなくなったり、古い商品がいつまでも残ってしまったりしないよう、ルールに沿って運用することが大切です。また、取り扱う商品によっては、湿気や温度など保管環境の管理も必要です。
ピッキング・流通加工
発注伝票や指示書にもとづいて、保管している商品の中から必要な数量を取り出すピッキングや、消費者の元へ荷物を届けるための加工作業も必要です。流通加工では、シールの貼り付けや納品書の発行、同封といった作業も欠かせません。
梱包・出荷
輸送中の破損などがないよう、商品を保護して段ボールや封筒などに梱包することも大切です。梱包作業に合わせて、配送伝票の発行や着日指定への対応なども発生します。
返品対応
製品に不具合があった際などの返品の受付やそれに伴う顧客対応、返品された商品の状態確認なども必要です。
これらのすべての業務を削減して、本業に集中したいという場合は、入庫から在庫管理、梱包・発送といった流れを一手に引き受けてくれるアウトソーシング先を見つけましょう。
ECの物流委託を活用して、売上アップを目指そう
EC物流を委託することで、本業に力を入れられるようになり、さらなる売上アップを目指しやすくなります。委託先を選ぶ際は、自社のECサイトの規模や業種に応じたサービスを展開しているかをポイントにすることをおすすめします。
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